アナウンサー試験は、エントリーシートで10分の1に絞られる試験です。

面接を受けたくても、エントリーシートを通過しないと、テレビ局はあなたに会ってさえくれません。

「子供の頃からアナウンサーになるのが夢だったんです」という方も多いですが、エントリーシートに通過しなければ、熱意を伝えることさえできません。

ざっくりですが、キー局は4000人中400人がエントリーシートを通過、準キー局は、2000人中200人が通過、名古屋・福岡の放送局は、1000人中100人がエントリーシートを通過、地方局は300人(±200人)中30人(±20人)が通過します。


「エントリーシートだけで、私の何がわかるの? 会ってさえくれれば、内定する自信はあるのに」という方もいると思うのですが、正直、エントリーシートだけで、採用する側としては、かなりわかります。

毎年、アナウンサー試験をしているのですから、エントリーシートの段階で、「この学生は将来活躍しそうだ」「活躍しそうではない」ということは、わかるのです。

なぜ、エントリーシートの段階で、ここまでふるい落とすのかというと、アナウンサー試験は、採用する側にも、人件費がかかるからです。

人事部員、人事部長、アナウンス部員、アナウンス部長が見て、最後は社長、専務、常務が採用するかどうかを判断します。

その際には、原稿読みのチェックなどもしなければいけないわけで、一次面接で、そこまで多くの学生と会うことはできないということを、理解してください。


さて、エントリーシートを通過したら、1次面接です。

時間の都合上、グループ面接で4人づつ、6人づつといった形で、面接が行われます。

一次面接では、1分間の自己PRが求められる局がほとんどだと思ってください。

地方局で、「新潟で一次面接があります」「青森で1次面接があります」といった現地での面接の場合は、せっかく遠くまで来ていただいているということもあり、1次面接で「原稿読み」の試験がある局も多いです。

エントリーシートで、上位30人(±20人)に入らないと、原稿読みのトレーニングをいくらしたとしても、見てもらえないということになります。


通過すると、「講習会」という形で、4人〜12人くらいで、集団でのアナウンスの実技試験があります。

「講習会って、無料でアナウンス講習をしてくれるの?」というおめでたい方は、さすがにいないと思います。

「講習会」とは名ばかりで、アナウンス技術を中心とした、選考試験です。

ナレーション、原稿読み、フリートーク、架空の中継リポートなどが行われます。

その際には、アナウンス技術だけではなく、カメラ写り、表情、性格なども見られていると思ってください。


講習会を通過すると、最終面接に進めます。

最終面接は、4人が最大で、少なければ2名だと考えてください。

そのなかから、1人(多くて2人)が選ばれます。


エントリーシート→1次面接→講習会→最終面接 という流れが一般的なアナウンサー試験です。

もちろん、例外はあります。

エントリーシートと同時に、作文が課せられる局もあります。

エントリーシートの直後に、筆記試験で絞り込む局もあれば、最終試験のときに同時に筆記試験がある局もあります。

あなたが東大生であれば、筆記試験がある局の方が有利で、勉強に自信がなければ、筆記試験がない局の方が有利になることも、あるのです。