アナウンサー試験は、キー局→準キー局→地方局の順番で行われるのが通例です。

キー局とは、日本テレビ、TBS、フジテレビ、テレビ朝日、テレビ東京のことです。

志望者は、4000人で、ひとつの局につき、内定するのが1名〜2名です。

まれに3名、4名が内定することもあります。

2名内定するのが通常で、1名しか内定しない年もあると考えてください。

2名が内定する場合、まったく違うタイプの女子アナウンサーを採用するケースが多いです。

ひとりが真面目で報道系のアナウンサー、もうひとりが活発でバラエティ系のアナウンサーといった形になると考えれば、わかりやすいです。


準キー局は、読売テレビ、MBS毎日放送、関西テレビ、ABC朝日放送、テレビ大阪のことを指します。

キー局の志望者は4000人ですが、準キー局の志望者は2000人だと考えてください。

キー局が終わった段階で、半数が脱落するのが、アナウンサー試験です。


準キー局が終わると、地方局のアナウンサー試験が始まります。

北は北海道から、南は沖縄まで、日本テレビ系、TBS系、フジテレビ系、テレビ朝日系の地方局が存在します。(テレビ東京系は、東京、大阪以外は、テレビ愛知とTXN九州しかありません)

地方局の倍率は、100〜1000倍です。

局によって、倍率にばらつきはあります。

名古屋・福岡であれば、1000人近くが受験しますし、規模が小さい局であれば、100人しか受験しないという場合もあります。

ほとんど自主制作番組もなく、アナウンサーとしての出番が少なく、ほとんどが報道記者の仕事だという地方局もあるので、そういった局は、やはり、志望者も減ります。


地方局が終わって、そこで終わりかというと、そうではありません。

最後の最後に残っているのが、地方の「NHK契約アナウンサー」です。

北海道だけでも、札幌放送局、釧路放送局、北見放送局、室蘭放送局、帯広放送局、函館放送局があります。

契約社員としての採用なので、最大3年ではありますが、報道記者の仕事をさせられたり、ディレクター業務に駆り出されることも少なく、アナウンサーの仕事に特化できることから、人気があります。

どのみち、3年以内にアナウンサーを辞めて、東京に出てきてフリーになる方が多いのですから、割り切って契約社員でも構わないという方も、大勢いらっしゃいます。

事実、アナウンサーとして入社したにもかかわらず、お金がない地方局では、ディレクター業務としてカメラを自分で回して、ひとりで番組を作らされることもあります。

報道部員として、いきなり「県政キャップだ」と言われ、県庁の記者クラブに入り浸ったりすることもあります。

アナウンサー業務が50%以下しかないという地方局のアナウンサーも、大勢います。

ブランド的には、NHKの契約アナウンサーよりも、地方局のアナウンサーの方が上の扱いを受けます。

実際のところのアナウンス業務は、NHKの契約アナウンサーの方が多いケースも見受けられます。

もちろん、民放の地方局に内定したら、そのほうがフリーになった後も有利ではあるのではありますが、アナウンス業務だけがしたいというのであれば、NHKの契約アナウンサーという選択肢もアリなのです。(倍率も100倍以下のケースがほとんどです)